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家の売却を検討していると、「売却後の固定資産税は誰が払うの?」と気になるかもしれません。
そこで今回は、家を売却した年の固定資産税について、「納税者は誰なのか」「誰がどのくらい支払うのか」などを解説します!
精算方法や固定資産税の計算方法(シミュレーション)なども解説しているので、売却時の参考にしてみてください。
固定資産税に関する注意点についても触れているため、事前に目を通しておきましょう。
精算方法や注意点がわかれば、買主とのトラブルを避けやすく、スムーズな取引を目指せます!
家を売却した際、その年の固定資産税は誰が払うのか解説します。
1-1.納税義務があるのは「売主」
家を売却した後であっても、納税義務があるのは所有者である「売主」です。
固定資産税は、その年の1月1日時点で不動産(土地や建物)を所有している人に毎年納税する義務があります。
たとえ年度の途中で売却したとしても、1月1日時点で家を所有していれば売主が納税します。
ただし、納税する金額の100%を売主が負担するわけではありません。
次項では、固定資産税の負担割合について見ていきましょう。
1-2.売主・買主の負担割合について
一般的に、物件引き渡しまでの期間を売主、引き渡しから年末(もしくは3月31日)までの期間を買主で分担し、固定資産税を支払います。
具体的には以下のとおりです。
・家の引き渡し日を基準に負担割合を決める
・引き渡し日以降の固定資産税は買主側が負担する
・売主が1年分の固定資産税を前納している場合、買主は自らの負担分を売主へ精算する
上記のように、固定資産税は日割り計算で双方が負担します。
買主が売主に支払う固定資産税相当の金銭は「未経過固定資産税等に相当する額」と呼ばれています。
注意点として、「未経過固定資産税等に相当する額」の支払いは、法律で定められているわけではありません。
あくまでも不動産契約上の取り決めなので、売買契約を交わす際は必ず契約書(固定資産税の取り扱い)に記載しましょう。
1-3.都市計画税の扱いについて
都市計画税も固定資産税と同様に、納税義務があるのは売主です。
ただし、こちらも日割り計算で精算が行われます。
税負担の割合も同じなので、固定資産税と同様に精算しましょう。
固定資産税の精算方法について、順を追って解説します。
2-1.精算の基準となるのは起算日
固定資産税の負担割合は、起算日をもとに計算します。
起算日とは、固定資産税を日割りする際の基準日です。
前述したように、固定資産税は1月1日時点で不動産を所有している人に納税義務があります。
しかし、この日付はあくまでも課税する基準日であり、課税期間(税金の計算期間)ではありません。
起算日の設定は地域によって差があり、「関西では4月1日」「関東は1月1日」が一般的です。
課税期間を「1月1日~12月31日」、「4月1日~3月31日」どちらで捉えるかによって、買主・売主の負担割合も変わってきます。
起算日の設定により課税期間が変動するので、不動産会社に確認しましょう。
2-2.引き渡し日の確認
固定資産税の負担割合は、起算日・引き渡し日を基準に決まります。
売主は引き渡し日から逆算し、お互いの負担割合を確認しましょう。
固定資産税の総額は、納税通知書などの書類で確認できます。
注意点として、3年に1度行われる固定資産税評価額の見直しにより、固定資産税は変動するケースがあります。
最新年度の評価額をもとにした固定資産税の総額を確認しましょう。
2-3.重要事項説明書への記載について
前述した引き渡し日・起算日については、重要事項説明書で明確に記載しましょう。
固定資産税の日割り計算は法律で定められていません。
あくまでも不動産取引における商習慣です。
そのため、固定資産税の負担割合を明確に定めていなければ、後々トラブルに発展する恐れがあります。
不動産会社とも相談しながら、具体的な税負担(起算日・引き渡し日)の割合を記載しましょう。
家を売却したときの固定資産税(売主・買主の負担額)をシミュレーションしてみます。
計算方法と併せて解説するので、具体的な金額が気になる人は計算してみてください!
3-1.固定資産税の計算方法
売主と買主、それぞれが負担する固定資産税の計算方法は以下のとおりです。
・固定資産税の算出
固定資産税 = 課税標準額 × 税率(1.4%)
※固定資産税の金額は納税通知書にて確認可
・売主の負担額
売主負担 = 固定資産税 × 1年あたりの所有日数 / 365日
・買主の負担額
買主負担 = 固定資産税 - 売主負担
実際の支払い額には、上記の固定資産税に都市計画税も加算されます。
次項では、上記の計算式をもとに具体的な金額を用いてシミュレーションしてみます。
3-2.納税額のシミュレーション
固定資産税をシミュレーションする上での条件は以下のとおりです。
・固定資産税:12万円
・都市計画税:5万円
・家の引き渡し日:9月29日
・起算日:1月1日
・売主の負担額
売主負担 = (12万円+5万円) × 271日 / 365日
=約12万6,000円
・買主の負担額
買主負担 = (12万円+5万円) - 12万6,000円
= 4万4,000円
買主は上記の金額も含めて、家の売却代金として支払います。
売主は引き渡し日以降の固定資産税が精算されます。
固定資産税を精算する際は、以下の注意点にも目を通しておきましょう。
4-1.買主負担の固定資産税は「譲渡所得」
固定資産税を精算する際は、買主負担の金額を「譲渡価額」に加えて「譲渡所得」として確定申告を行う必要があります。
・譲渡価額:家の売却代金
・譲渡所得:家の売却によって得られる所得(利益)
家の売却では「所得(利益)」を得られることがあります。
この所得に対し、「譲渡所得税」が課税されます。
固定資産税は本来、納税義務者である売主が支払うものであり、買主に義務はありません。
売主は不動産売買において、「必ずしも必要ではないお金」を受け取っています。
つまり、「買主負担の固定資産税」=「売却価格の値上げ」と同等の意味です。
固定資産税を精算する際は、譲渡価額に買主から受け取ったお金を加算し、譲渡所得税として確定申告しなければなりません。
4-2.買主の合意が必要
前述したように、固定資産税の買主負担は法律で定められていません。
買主負担の固定資産税は売却価格として扱われるため、価格が高額な場合は拒否される恐れもあります。
「具体的な負担割合を決められない」「売主・買主の双方で決着がつかない」などの際は、不動産会社に仲介してもらいましょう。
家を売却する際は、固定資産税も含めて売却価格を検討する必要があります。
本来は売主に納税義務があるものの、不動産業界の商習慣として買主にも負担しもらうのが一般的です。
精算する際は、以下のポイントに気を付けてください。
・起算日と引き渡し日を明確にする
・双方の負担割合を決める
・重要事項説明書には起算日と引き渡し日についても明記しておく
固定資産税の負担割合を明記していない場合、買主とトラブルに発展する恐れがあります。
具体的な額や記載方法については、不動産会社の担当者へ相談しましょう。
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